久之浜ワークインプログレス "能『弱法師』”

 

2014年製作 / 0:30 min 作 観世十郎元雅

場所:アトリエ春風舎

出演:植浦菜保子(無隣館)

ドラマトゥルク:中村みなみ
照明:井坂 浩(青年団)、制作:濵中 峻 横地 梢、制作補佐:水谷円香

​同時上演 『かげろうための』(作・演出 濵中峻)

福島に滞在しながら、自分は誰で、どんな立場から何を作れるか、探った先にあったものが能『弱法師』です。


演劇の面白いなと思うところは、継続した時間があることです。一本の糸がある。
結果の蓄積なのか、継続した時間なのかはいろいろあるけれど、舞台だけの物語・規則が建築みたいにきっちり立ち上がることがあって、

その立ち上がりをつぶさに体感すると引き込まれるのはなんなんだろう。

少し快楽主義なところがあるのですが、盲目の少年を扱った能の『弱法師』を持って、その演劇の誘惑についてもう少し迫りたいと思いました。

弱法師―俊徳丸は、継母からの讒言(ありもしない嘘)によって家も家族も食べ物も全て失った時、失明と悟りを持つ。

物語の最後には父と再会して帰郷するハッピーエンドですが、私は帰郷した後が気になっていました。元に戻ったところで、目の覚めた彼や家族には、いびつさが残るだろう。きっと崩壊する。
能の構造の時点から、俊徳丸は父と帰ることは全く幸せなことではないと示しているようなテキスト・動きの流れになっている。
対称的に、孤独である俊徳登場時の、軽快に近い囃子。
この、軽快・悟り→父と会う→帰郷の流れを、何一つこぼすことなく点描するように立ち上げたい、

また俊徳丸の時間は何色で進むのか、血の涙の赤色なのかと、一人芝居で上演しました。

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