January 14, 2017

 この文章を書いている時点で、ぼくは稽古を何度かのぞき、通しを一度だけ見ている。

期間としては十月から三ヶ月程度。蜂巣もも、そしてハチス企画を見ていく中で、脳裏によぎったいくつかのイメージを書き留めてみたい。

 『水』。初めて蜂巣ももの演出作品を目にした時。カゲヤマ気象台が筆を執り、蜂巣が演出をしたその作品は水の底に引きずり込まれ溺れていくような時間を感じさせた。

 「時間」というのは不思議な言葉だ。時計で測ることの出来る「時間」がある一方で、計測不可能な「時間」がある。深夜の夜勤労働で意識をシャットアウトしようとする脳みそに抗ってなんと...

January 8, 2017

approach No.4

植浦菜保子ー俳優のアプローチ

聞き手:渋革まろん

日  :2016年12月21日(水)

あえて、こう問うてみたい。役者とは何だろうか?

こうした本質論は実りのない空論で終わるものだけれど、植浦さんの抱く「役者像」を聞くと、単に「役を演じる」だけじゃない役者の姿が浮かび上がってくるようです。

植浦さんは『木に花咲く』メンバーの中でも、最初期の『授業』からハチス企画に関わってきました。

そうした時間の中で、演出家と俳優のあいだに「良い関係」が生まれた時、演出も作品も俳優も・・・・・・その関係でしか生まれない、そして彼/彼女...

January 2, 2017

②舞台美術へのアプローチ篇

『木に花咲く』美術案;渡邊織音 

■『水』/呼応する空間

織音さんの経歴から感じたポイントが二つあります。

その場に働きかけて、そこにいる人達がアクションを起こしていく環境を作っていくこと。

もう一つが、とにかく行くところ。行って思う。これはすごいですよ。

こういう経験が舞台美術に活きているところってありますか?

『水』のときは、今までインスタレーションをやっていた経験だけで突入したので、どうしたらいいのか手探り状態で。とりあえず出れるときはなるべく稽古は見ようっていうスタンスで関わった。

その中で、蜂巣さんしか持ち得な...

January 2, 2017

approach No.3
渡邊織音ー舞台美術家のアプローチ

聞き手:渋革まろん
日  :2016年12月20日(火)

渡邊織音(わたなべ・しきね)さんの経歴は多少複雑だ。

学部+修士で6年大学に通う。のではなく、その間にヨーロッパ遊学とメキシコ留学休学と、3.11後の休学を挟み、いつの間にか7年が経つ。彼は、とりあえず動く、動いた先で目の当たりにした「それ」について、底知れぬ好奇心で「問いかける」。

手がける舞台美術にも、そうした感覚が抑えがたく発揮されているように思えます。織音さんの舞台美術に対するアプローチは、戯曲の解釈や舞台の状況を...

December 25, 2016

approach No.2
串尾一輝 ー 俳優のアプローチ

聞き手:渋革まろん
日  :2016年12月14日(水)

第二回は俳優・串尾一輝さんの登場です。
堀北真希と結婚する野望を抱き、明治大学の実験劇場、そして無隣館を経て現在は青年団に所属。稽古場で見る串尾さんは一体何を考えているのか計り知れない「穴」のようです。自分のことを「空洞なんです」と言う彼は、一体どのようにしてハチス企画の演劇に取り組んでいるのでしょうか?

さらに24歳・男性の串尾さんが「老婆」役を演じる。さて、どうするつもりなのでしょう?

いまだ結末の見えない「戦い」の軌跡...

December 16, 2016

震えるカラダ/演出のアプローチ

―先日、ちょうど稽古場ではベケットの『幸せな日々』のように老婆が布団の中に埋もれ、まるで布団も老婆の体の一部のように感じられる舞台装置が展開されていました。

老婆は串尾さんというどちらかと言うと筋肉質な男の人が白いワンピースを着て演じるのだけど、それがパンパンで、ネグリジェみたいになっている。ピンク色の布団と相まって、串尾さんが花のツボミのように、ジャングルの奥地に生息している食虫植物のようにも見えます。

その「花」のような串尾さんはどこかエロティックです。

そういう写真家がいますね。ロバート・メイプルソープ...

December 15, 2016

演劇には立会人が必要なのかもしれない。

本番の舞台はもちろん、あるアイデアが作品として結晶するまでのプロセスにも、また立会人が必要なのかもしれない。

approach-アプローチ-と名付けるこの連載では、ハチス企画が現在取り組んでいる別役実『木に花咲く』が、一体どのようなアイデアや関心から生まれてくるのかを演出家・俳優・テクニカルスタッフへのインタビューを通じて明らかにしていきます。舞台が生まれるプロセスにどうぞ一時、お立ち会いください。

 *******

No.1 蜂巣ももー演出家のアプローチ

聞き手:渋革まろん

第一回は演出家・蜂巣ももさん...

November 14, 2016

『稽古場を観劇する』③

■稽古場の観劇を楽しむ、たった1つのコツ

リハーサル⇄対話からなる、〈 稽古場ーハチス企画 〉。

「対話」のシークエンスでは、演出家の蜂巣さんが断片的なイメージ、戯曲に対する解釈、

覚えている限りですが、次のような「投げかけ」がありました。

・「ゼロスタート(真空地帯)での出会い」

・それを前提にして、ディスコミュニケーションをとろう。

・桜は他の家族とは切り離された老婆だけの桜であってほしい。それは...

November 10, 2016

蜂巣の演出ノート 

『稽古場を観劇する』②
■稽古を公開しても「つまらない」と思われるんじゃないか、と思う一つの理由

ハチス企画では、別役実『木に花咲く』を上演します、ので、僕は台本を渡されます。台本は21のシーンに分割されている。
今日の観客は僕ともう一人。〈稽古場〉の出演者は、演出家1人と俳優2人。僕は今月、2回目の稽古場訪問です。

前回、1回目の稽古場訪問では、シーン4の読みあわせをが行われていました。
今回、2回目の稽古場訪問でも、シーン4の読みあわせとリハーサルが行われていました。

おっと。

これで、ほとんど5分に満たないシーンを、...

November 7, 2016

渋革まろんの『稽古場を観劇する』
*10月23日(日)19:00~22:00
*稽古場:アゴラ劇場 5階


『稽古場を観劇する』①


■演劇人なら誰でも知ってる稽古場の不思議

渋革まろんです。普段は〈トマソンの祀り〉という企画のコンセプターとして活動しているのですが、ハチス企画では「エディター(編集)」なる肩書きで関わります。

劇場は作品が上演される場所で、観客は劇場に作品を見に来ます。
ところが、観客が稽古場に作品(以前)を見に来ることは、なかなかありません。・・・アタリマエのようですが。

しかしそれはなかなかに、もったいないこと、のように...

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