勇魚み朗読会 お試し版
今年の1月のハチス企画『木に花咲く』上演から、俳優との作業についてもう一度根っこ部分の土台をきちんと考えたいと思い、朗読会を行うことにしました。お試し版。
今回の俳優さんは初めてご一緒する人たちです。
稽古の進め方から、一つ一つに対して慎重にやっています。自由に格闘出来るような枠を出してみて、俳優から出てくるものを見続けること。単純なことですが、今まですっ飛ばしていたことです。それを丁寧に重ねる。
私は前回の公演を通してなにが演劇なのか、なにから演劇が始まるのか、よく分からなくなりました。俳優と何が必要か対話をしても、私自身はどうやら全く違う方向、遠く離れた所を向いて目が離せなくなっていて、全く距離が縮まらない。演出家という役割に振り回されている。このままの形で制作し続けると完全に終わります。
今回の朗読会では
・お客さんと緊張関係を作るもの
・はたまた、柔らかなリズムを与えて、ほぐしていくもの
・信頼関係を結ぶもの
この3つから相応しいと思うものを読んでもらう場になります。
今日も稽古ですが、俳優の横田くんと岩井さんの本に向き合うあり方が全く違うことに毎回驚きます。距離を保って遠くから経過を観察している姿と、受け皿になって柔らかく変容していく姿。
どちらが良いとかはないけれど、同じ朗読という場まで進みます。
朗読とは本に寄り添う。本の中の海原を進み、潮の流れや生き物に出会うこと。
ひとまず挑戦です。